少子・高齢化、共働き世帯の増加などで、日本の消費環境は大きく変化した。ライフスタイルの多様化に伴い消費者ニーズは細分化され、画一的な商品、販売方法では売れない時代になった。

こうした中、流通小売業では他店にない商品やサービスを提供する提案型の売り場づくりが進む。ネット通販が市場を拡大する中で、お客にとっていかに魅力ある売り場をつくり、来店動機につなげる品揃えをするかが各社の課題であり、様々な施策が試されている。

スーパーの生鮮部門における売上高構成比(オール日本スーパーマーケット協会=AJS調査)をみると、5年前に比べ水産が縮小し、畜産、総菜の構成比が上昇している。有職主婦の増加に伴って、フライパンで簡単に調理できる食肉は安定した支持がある。

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また、調理の手間を省いた時短調理や簡便型商材の需要が高まり、素材のデリカ化が進む。コロッケやローストビーフなど「お肉屋さんのミートデリ」のような商品群が強化されている。

出来立て感を訴求する商品は売り場での演出、提供方法に工夫が必要だ。最近の新店では、クッキングサポートコーナーの導入に加え、提案販売のため販売員を増員配置。顧客と会話が生まれる活気ある売り場づくり、体験の場の提供、ライブ感を打ち出すケースが増えた。

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ただ、提案型の商品と売り場づくりは、技術と人材の確保、そして人時生産性の問題がついてまわる。これまで多くのSMチェーンは、価格競争の中で低コストオペレーションを追求し、その一環として人件費を削減してきた。売り場と商品づくりに人手を増やして、それに見合う売上、利益を確保できるかどうかバランスが大きな課題。

この関連で、精肉部門では従来から商品づくりをインストアかPC(プロセスセンター=集中加工場)のいずれで行うのが効率的との議論がある。これは鮮度維持や受発注・物流システムなどにもかかわる問題であり、また畜種によっても適正が異なるが、今後、外部(納入)企業の施設を含めて、アウトパックを効果的に活用する動きが加速するかもしれない。(全国農業新聞2016.12.9付)