イオングループの大都市シフトの中核として、食を基軸にした新業態フォーマット「フードスタイルストア」および「SM」の確立をめざすダイエー。グループ子会社も含め、長年培ってきた食品事業部のノウハウを結集し、食のSPA化(製造小売業)を強力に推し進めている。6月20日にはダイエー赤羽店をフードスタイルストア業態1号店としてリニューアルオープンし、「働く女性」「単身者」「プレシニア層」を主要顧客と位置づけ売り場を進化させた。
このうち生鮮強化のリード役を担うミート部では昨年11月29日から「肉のダイエー」を標榜し、独自商品の開発や精肉、関連総菜の拡販を進めている。浦野浩治郎商品統括兼食品商品本部長と竹内真人ミート部長に今期の施策について聞いた。
食のSPA化とはどのような取り組みですか?
ダイエーの食のSPA化の象徴的な商品が系列牧場で生産する「さつま姫牛」「さつま王豚」。今年で発売9周年を迎える「さつま姫牛」を生産する鹿児島サンライズファームは黒毛和種の雌牛のみに特化し、預託農場を含め飼養頭数約4000頭。
今期は売上高2ケタ増を目標に、年間出荷頭数を100頭ほど増頭する計画。イオングループへの供給はもちろん、海外輸出も視野に検討している。直営牧場で生産しているメリットを活かすため、
- 1.スペック変更による霜降切り落としや希少部位の赤身肉の商品化
- 2.内臓肉の味付焼肉を展開
- 3.牛めし弁当やこだわり総菜(シチュー、カレーなど)の商品開発―を推進する。
「さつま王豚」は国内豚価が高値推移を辿る中、年間出荷頭数を1000頭増頭した。さつま姫牛と同様に、PC供給商品(しゃぶしゃぶ用など)の拡大や加工品化の促進により、回転率の向上と認知度を高めていく。「こうした対策の要がPCのアルティーフーズの商品開発力。精肉はもちろんのこと、簡単鍋を中心にした肉の総菜の供給センターとして日本一の力があると自負している。
今期は米飯ラインを拡張し、弁当の供給に着手する」。短期・中期の視点でメーカーとライン機器の共同開発や人材投入を拡充し、PC機能の技術革新を図り、切り落としなどの主力アイテムの見栄えを改善するほか、中食商品のロングライフ化を実現する方針だ。