美笑牛とは

「自分の子供たちに安心して食べさせたいから。」
この想いが原点です。

美笑牛(びしょうぎゅう)は、牛肉研究家である片平梨絵が、徹底的にお肉の美味しさを追求して生産者と共にいちからプロデュースした牛肉です。牛舎は千葉県の旭市、九十九里浜のそばに位置し、心地よい海風が吹き抜けます。短期間で大きく太らせるために使われる抗生剤を一切使用せず、ハーブの飼料を食べさせながら、通常より半年以上も長い時間をかけて、健康的にじっくり育てています。味わい深い赤身と、上品で胃もたれしない脂を実現し、身体に優しいお肉を目指しています。

美笑牛の特徴

POINT 01

美味しい血統

酪農牛(ホルスタイン)のお母さんに、上質な脂と赤身の旨味を受け継いだ但馬系(たじまけい)黒毛和牛のお父さんを掛け合わせた交雑牛のめす牛のみが美笑牛として扱われます。但馬牛(たじまぎゅう)は日本の黒毛和牛のルーツと呼ばれる血統で、但馬にしかない卓越した旨味を持っています。


POINT 02

長期飼育

牛は育てる期間=肥育期間が長いほどお肉に含まれるアミノ酸が増加して味わい深くなり、脂質の融点(脂の溶け出す温度)が下がり、軽やかな味わいに変化します。全国で流通する交雑牛の平均出荷月齢が25か月、黒毛和牛は28か月なのに対し、美笑牛は30か月前後まで大変長く丁寧に育てられます。長く育てるということはそれだけ人の手やコストがかかっているということでもあります。


POINT 03

めす牛

おすの去勢牛に比べて運動量の少ないめす牛は、筋肉が柔らかで肉質がきめ細やか。融点も低いので脂が硬くなりにくく、すっと溶けます。また赤身肉に含まれる甘み系アミノ酸の含有量が多いのがめす牛の特徴です。


POINT 04

ハーブの飼料

ハーブを配合した飼料で健康的に内臓に負担をかけずに育て、牛の腸内環境を改善することでホルモン(内臓肉)までおいしくなります。


POINT 05

抗生剤フリー

美味しさと安全性を第一に考え、モネンシンなどの抗生剤を一切使っていません。自分の子供たちに安心して食べさせられる牛肉づくりを行っています。

美笑牛を作ったわけ

広く世間に知られている牛肉のランク付けにA4、A5といった等級があります。しかしこれは、いわゆるサシと呼ばれる脂の量を示す等級で、脂の質は一切問われない等級なのです。

日本人にとって霜降り神話は根強く、和牛の育種はサシの量を増やすことに傾注してきました。脂がきめ細かく入り肉が軟らかいことが美味しさの全てであるような誤解が広まりました。健康志向の高まりで赤身肉の価値も見直されましたが、一般的に牛肉の流通市場の中には本当の美味しさをはかるものさしは存在しないのです。牛を急いで太らせたりせず、古来守られてきたよい血統を掛け合わせ、大切に長く育てることで美味しい牛肉を作ることができます。

一方で、美味しいお肉を作っても、ものさしがないばかりか一頭一頭に値がつき、常に枝肉市場の相場に左右されて価格が変動すると、持続可能な畜産業は営めません。生産者にとっては常に一貫して同じ値段で買い上げることで良い牛をつくり続けることができ、レストラン側も価格が安定することで安心してメニューに組み込める。この生産者からレストラン、消費者までの大きなエコシステムを構築するというチャレンジが美笑牛であり、ビーフスマイルプロジェクトが目指すところなのです。  

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