2018/12/26

全国農業新聞/ブロンコビリーの経営姿勢

東海地区を中心に125店舗(2018年3月末)を展開するステーキレストランチェーン「ブロンコビリー」(竹市克弘社長)。独自のメニュー戦略や人材教育など、その経営姿勢は同業他社とは一味も二味も違う。

特に「飲食業は教育業である」との創業者の考えに根差した社員教育には年間2〜3億円を投下し、海外研修も積極的に実施している。

そうした成果は外食業界第2位の経常利益率、無借金でかつ自己資本比率80%超を誇る財務体質の強さにも表れているが、メニュー開発とその磨き込みの強さはオープンキッチンスタイルの『炭火焼き』ステーキ&ハンバーグ、『大かまど』で炊いた魚沼産コシヒカリ、季節ごとの『サラダバー』に、創業40年の歴史とこだわりが凝縮される。

昨年11月には新メニュー「黒毛和牛ハンバーグ」(160g・1880円)を投入。海外原料を中心に提供してきたが、世界的に原料高が進む中で、最上価格のヒレやリブステーキに次ぐご馳走感のあるメニューとして位置付けた。

原料にこだわり、神戸ビーフの牛脂を採用。より融点が低い神戸ビーフの牛脂を黒毛和牛のミンチ材に練り込むことで雑味がなく後味の良い上品な味わいに仕上げた。

ナイフを入れると良質な脂があふれ出るが、しつこさがなく「風味がとても良い」と評判も上々のようで、黒毛和牛ハンバーグは今後も継続提供していく方針。竹市社長は「レシピの磨き込みと提供方法の見直しを進めていく」と意欲的だ。

長年にわたり、主原料の米国産牛肉を自社輸入し、品質の安定と長期大量契約よる安価での調達、さらには自社工場で原料素材、部位の特徴を生かし余すことなく活用する―。同社が蓄積してたき商品開発のノウハウは、黒毛和牛のメニュー化にも活かされている。

大切なことは国産か輸入かではなく「品質と提供価格のバランス」。「全員が経営者、お客様に価値を感じていただく事に対して一丸となって日々取組でいく」(竹市社長)。業界トップクラスの収益力は、その結果の一つでしかない。他社の容易な追随を許さないメニュー開発は、同質化や価格競争に陥らない道でもある。

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