国内初、ホテルで一頭丸ごと使い切るオリジナルブランド牛
オークラ牛とは
オークラ牛プロジェクトは、生産者を指定し、細かな飼育基準(血統、飼育期間、性別)を設け、品質のばらつきがない高品質な黒毛和牛を安定的にお客様へお届けすることを可能にしました。国内では有名ホテルやレストランでオリジナルブランドを謳うこともありますが、「ホテルの基準に沿ったもの」として定義を明確にせず、出荷月齢や性別、生産者を指定いないケースもあります。ホテルで1頭丸ごと買い受けることで、生産者が安心して作り続けることができ、こだわりぬいた牛肉をお客様にお届けすることができます。
オークラ牛の産地
オークラ牛は、すべて島根県の松永牧場で生産されています。肉牛農場としては数少ないISO14001を取得し、高い技術、設備、環境が整う国内有数の環境に配慮した循環型農業を実践しています。20年以上も前から消毒剤、除草剤の散布を中止したことで、農場周辺には豊かな自然が広がり、希少な固有種モリアオガエルが生息するほど。夏には満点の星のようにホタルの大群がいっぱいに輝く神秘的な森の中に松永牧場は立地しています。
オークラ牛は松永牧場グループで生まれた子牛のうち、美味しさの血統を引き継ぐ但馬系(たじまけい)のめす牛のみを選抜。他の家畜市場から導入したものが入ることのない、オークラ牛専用牛舎で生後月齢32か月まで肥育します。あくまで松永牧場生まれ、松永牧場育ちの牛がオークラ牛になり、こうすることで味や品質のばらつきがなくなる仕組みになっています。通常の黒毛和牛に比べて3か月以上長く肥育しますが、長く飼うためには、より繊細できめ細やかなケアが求められることから、オークラ牛専用牛舎を設けました。昔ながらの設計でゆったりとした空間を確保しながら、一頭一頭の観察を大切にして育てています。
オークラ牛が生まれたわけ
2018年6月、片平の企画した八重山食材発掘視察ツアーに、多くのレストランやホテルのシェフたちが参加しました。池田総料理長も、石垣島きたうち牧場を訪れ、実際に試食をしたことで霜降り肉のイメージが変わったといいます。黒毛和牛は脂っこいイメージがあったのに、良質な霜降りはいくらでも食べられるということを知り、「ホテルオークラ東京でもぜひこういう肉を提供 したい」と考えるようになりました。石垣島きたうち牧場のプレミアムビーフは年間の出荷頭数が少なく、沖縄の離島ということで生産コストも高くなってしまいます。そこでホテルオークラ東京独自のプログラムで、より美味しく安心安全な黒毛和牛の開発を目指し、片平と共に生産体制の構築に挑むことになったのです。
松永牧場でじっくりとそだてられた牛は、HACCPシステム導入工場の島根県食肉公社でと畜加工されます。池田料理長はじめ品質管理担当を含めたチームで現地視察を行いました