全国農業新聞/プロテインや高たんぱく質を切り口とした食品の市場

プロテインや高たんぱく質を切り口とした食品の市場が活況をみせている。従来はアスリートを中心にトレーニングなどで摂取されるイメージがあったが、中高年やダイエット中の女性など幅広い層でたんぱく質を積極的に摂取する動きが広がっているためだ。

背景には人生100年時代といわれるようになり、健康寿命への意識が高まっていること。2020年現在、75歳以上の後期高齢者は国内人口の14.9%で、2025年には17.8%、2050年には23.7%となり、超高齢化が進む。 加齢により運動機能や認知機能が低下する「フレイル」を予防することは社会的にも大きな課題であり、

ことしからはフレイル健診も導入される。効率的なたんぱく質の摂取と運動が介護予防につながることから、各社で関連商品の開発や売り場づくりが強化されている。 例えば、日本ハムグループでは、精肉売り場のパネルや商品パッケージに1日に必要なたんぱく質量や栄養成分を表示することで、健康で長生きするための食事を選択しやすい売り場を提案している。 同社の意識調査によると、食事や食生活の中で健康や美容のために積極的に実行していることで最も多かったのは「肉を食べるようになった」との回答で、とくに70歳代以上では3割にまで達していた。

日本人の食事摂取基準(厚労省)によると1日あたりのたんぱく質推奨量(男性18歳以上)は 60g。また、一回で摂取するのではなく、毎食20g以上ずつ、平均的に摂る方が効果的とされている。 夕食など食事のおかずとしてはもちろんだが、たんぱく質がちょっと足りない日に、食事を補完するおやつとして手軽な加工肉を活用する潜在需要はありそうだ。

健康意識の高まりに伴い、消費者が自身の健康状態や栄養をコントロールする「セルフヘルスケア市場」も伸長する可能性が高い。減塩、糖質ゼロを切り口としたの 加工肉の商品群はプロテイン、高たんぱく質と同様に、これまで以上に開発が進みそうだ。